万太郎山 2013年10月28日

漸く念願の万太郎山に登ることが出来た。思ったよりてこずったのは、この山が滑るということだ。往復山行だったので、下山時は十分気をつけて下ったが、濡れた落ち葉の下は湿った木の根が非常に多く、また粘土質の土がさらに歩行を困難にした。麓から見て頂上は白く雪なのか霜なのかわからなかったが、行かれるところまで行って引き返そうと思っていた。薄暗くじめじめした林を登りぬけ、やっと尾根に出るとまもなくオオベタテの頭のはずだが標識がないので通り過ぎてしまった。気持ちの良い尾根歩きと紅葉の万太郎谷を見下ろして山の深さをしばし味わう。「秋の山はいい」。茂倉岳から一ノ倉岳谷川岳、反対側の仙ノ倉岳のうっすらと雪のついた山を眺めながら、井戸小屋沢の頭でまた一休み。風のない穏やかな秋の日差しを浴び、至福のひと時を過ごす。そして出発、、、、。しばらくして霧氷のついた、潅木のトンネルを通り抜けな ければならなくなった。体に当たった氷がザックと背中の間に入って、「こりゃたまらない」。さらに銀色に輝く頂上を見上げた時、ここで引き返そうと思った。だれ一人として会わない山が心細い気分にさせてしまう。ふと、雪道に狐か何かの足 驕Bそれに案内されるように足が動いてしまう。どこまで、この足跡は続いているのだろうと思いつつ、途中でアイゼンを履き、岩場をよじ登り、ずっと追っていくと縦走路の分岐にさしかかった。向こうが谷川方面あちらが平標山方面、谷川岳を縦走したことのない私は、この縦走路に立つことだけでもうれしかった。ここまでくれば万太郎山頂まで3分だ。「狐さんありがとう。」頂上に立つと、遠く雪を被った苗場山の特徴的な形、巻旗山や越後三山もその存在を誇示している。昨年歩いた上越のマッターホルンと呼ばれる大源太山からシシゴヤの頭、そこを下らないで尾根を歩いていけば、とんがり山の足拍子岳に続いているんだなあ。上越の山々はいいなあ。


吾策新道入口


左から茂倉岳 一ノ倉岳 谷川岳


仙ノ倉山の後ろのちょこっと白い山が平標山


てっぺんがぎざぎざの万太郎山、左が大障子の頭


谷川岳右の斜面に肩の小屋が見える


オジカノ沢の頭と谷川岳


万太郎山頂上に向かう。狐の足跡だけがありました


万太郎山への最後の詰め


万太郎から仙ノ倉山とエビス大黒の頭を望む


巻旗山と越後三山、その手前に上越のマッターホルンと呼ばれる大源太山


万太郎谷を見下ろす。この狐かタヌキの足跡が万太郎山へと案内してくれました

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